夜の果てへの旅

こんにちは。税理士法人コスモスです。

 

今回は小説のお話しです。


「夜の果てへの旅」はフランスの小説家ルイ・フェルディナン・セリーヌ第一次大戦後に書いた半自伝的な小説になります。

 

夜の果てへの旅(上)-新装版 (中公文庫 セ 1-3)


この小説に嵌って、大学時代には全集を買い集めようとした作家の一人です。(さすがに全集コレクションは途中で断念しましたが徳島大学の図書館には揃っていたと思いますので興味のある方はぜひ覗いてみてください)

 

発売当時のフランスではこの小説はベストセラーとなったらしいですが、その後のセリーヌ本人の言動により第二次世界大戦後には戦犯作家の烙印を捺され、現在、本国では一部の書籍は発禁となっているかと思います。

 

今、あえてこの本の紹介をするのは、新装版が中公文庫から再発されて最近改めて読み直したことと、現在のロシアとウクライナの戦争における兵士の状況について思いを馳せるにつけ、戦争に巻き込まれる兵士や民間人の感情がこの小説の中にとてもリアルに書かれていると感じられるからです。

 

セリーヌの小説の特徴の一つが口語体を多用し、当時は珍しかったスラングを使用していたことが挙げられます。そのため読む人によっては好き嫌いが大きく分かれると言えるでしょう。ほとんどの場面で人々の厳しい現実と人生、そして人間性について罵るような(フランス語での本当のニュアンスは分かりませんが)言葉とともに語られます。

 

物語は第一次世界大戦の戦場からアフリカ、アメリカ、パリへと場面や状況が変わるため、一言では言い表すことができませんが、今回再読して、主人公や登場人物の人生、行動の酷さや醜さのなかに「何となく美しい?もの」を感じました。

 

それは毒舌家セリーヌが持っていたヒューマニズムやロマンティシズムを私が年を取り感じ取れるようになったのかもしれません。

 

夜の果てへの旅(下)-新装版 (中公文庫 セ 1-4)